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2003 年度 実績報告書

母斑性基底細胞癌症候群におけるアポトーシスおよび癌化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15591085
研究機関千葉大学

研究代表者

藤井 克則  千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70344992)

研究分担者 宮下 俊之  国立成育医療センター研究所, 成育遺伝研究部・遺伝子構造研究室, 室長 (60174182)
キーワード母斑性基底細胞癌症候群 / 基底細胞癌 / PTCH / NBCCS / ヘッジホッグ
研究概要

母斑性基底細胞癌症候群(以下NBCCS)は、基底細胞母斑、顎骨内嚢胞、椎骨肋骨異常、大脳鎌石灰化、手掌足底皮膚小陥凹等を呈する神経皮膚症候群であり、その原因遺伝子は体節極性遺伝子であるPTCHであることが知られている。平成15年度は当初提出計画どおり、主にNBCCS患者における遺伝子解析を中心に研究を進めてきた。
日本人家系でのPTCH遺伝子解析は筆者が最初に行ったが(1999)、今年度はNBCCS患者6名のPTCH遺伝子変異の同定に成功しその成果をすでに公表した(Hum Mutat.2003 21:451-2)。この報告の中で我々は従来行われてきたPCRの方法を改変してダイレクトシークエンス法を用いることにより、従来30%程度とされたPTCH遺伝子変異検出率を75%まで高められたことを報告した。この高変異発見率は検査方法の相違なのか、また人種差によるものなのか今後の症例の集積を待ちたいと考える。
またNBCCS患者の中に潰瘍性大腸炎の合併例があることを見出し、PTCH遺伝子変異とともに報告した(Am J Med Genet.2003;121A:65-8)。潰瘍性大腸炎は高発癌性炎症性腸疾患であるがその機序は不明であるため、PTCHタンパクが含まれるヘッジホッグシグナリングの関与の可能性が示唆された。
さらにPTCH遺伝子の上流にCGGトリプレットリピートが存在し、転写活性に影響を及ぼしていることを見出して報告した(J Hum Genet.2004 in press)。これはPTCHが転写活性レベルで発現が調節されていることを示す初めての報告であった。
このようにして平成15年度はNBCCS患者の遺伝子解析を中心に行いすでに3報報告した。現在は引き続きNBCCS患者におけるアポトーシスおよび発癌機構の解明について、放射線照射実験を継続中でありこれらも近日中に成果公表の予定である。(790字)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fujii K, Kohno Y, et al.: "Mutations in the human homologue of Drosophila patched in Japanese nevoid basal cell carcinoma syndrome patients."Human Mutation. 21. 451-452 (2003)

  • [文献書誌] Fujii K, Miyashita T et al.: "Gorlin syndrome with ulcerative colitis in a Japanese girl."Americal Journal of Medical Genetics. 121A(1). 65-68 (2003)

  • [文献書誌] Nagao K, Fujii K, et al.: "Identification of a novel polymorphism involving a CGG repeat in the PTCH gene and a genome-wide screening of CGG-containing genes."Journal of Human Genetics. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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