本年度は、腎性低尿酸血症の患者におけるhURAT1遺伝子解析を進め、その責任遺伝子としての重要性について検討した。以下に本年度の主な結果について記す。 (1)本邦での7家系の腎性低尿酸血症の患者解析の結果をまとめた。7家系のうち、6家系でhURAT1遺伝子に変異を認め、5家系ではW258X変異をホモ接合体で有していた。この結果は、本邦における腎性低尿酸血症の患者の大半においてhURAT1遺伝子異常が原因であり、変異の種類もW258X変異が大半を占めることを示すものである。これらの結果は、Pediatric Nephrology誌(国際小児腎臓病学会誌)に現在in pressである。 (2)上記の家系以外の腎性低尿酸血症の一家系(本邦)において、hUMT1遺伝子の新規変異を同定した。この家系においては、W258XとR90Hの複合ヘテロ接合体であり、現在、両親の遺伝子異常を解析中である。 (3)本邦のみならず韓国の腎性低尿酸血症の2家系においてhURAT1遺伝子異常を同定した。韓国の家系においてもW258X変異が主たる変異であり、新規にR477H変異も確認した。 本年度に得られた、こうした結果は、腎性低尿酸血症の患者においてはhURAT1遺伝子のW258X変異が本邦および韓国ではdominantであることを示すものである。
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