研究課題/領域番号 |
15591089
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 孝司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50255402)
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研究分担者 |
五十嵐 隆 東京大学, 医学部付属病院, 教授 (70151256)
薦田 房子 東京大学, 医学部付属病院, 助手 (50107603)
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キーワード | 腎性低尿酸血症 / 運動後急性腎不全 / 尿酸トランスポーター / hURAT1 / 遺伝子異変 |
研究概要 |
本研究の最終年度として、本邦の特発生腎性低尿酸血症の家系をさらに3家系と韓国の2家系においてhURAT1の遺伝子異常を解析した。また、尿酸結石および微少血尿を伴い尿中尿酸排泄率が高い患者においてもhURAT1の解析を行った。 【方法】特発性腎性低尿酸血症の患者およびその家族より文書による informed consent を取得後、末梢血よりゲノムDNAを抽出し、hURAT1遺伝子(SLC22A12)の全エクソンおよびエクソン-イントロン近傍をPCR-ダイレクトシークエンス法にて解析した。 【結果】本邦の新規特発生腎性低尿酸血症の3家系の患者にSLC22A12にnonsense mutaion(W258X)をホモ接合体で認めた。韓国の2家系においてもSLC22A12に変異を見出した。韓国の症例では、1家系ではW258Xをホモ接合体で有し、もう1家系ではW258X/R477Hとい複合ヘテロ接合体を認め、韓国においてもhURAT1が腎性低尿酸血症の主たる責任遺伝子であり、その大半がW258X異変であることが明らかになった。一方、尿酸結石および微少血尿を伴い尿中尿酸排泄率が高い患者においてもhURAT1の解析を2家系でおこなったがhURAT1に変異は認めなかった。 2年間の研究は腎性低尿酸血症における尿酸トランスポーターhURAT1の病因的意義を明らかにしたのみならず、不明の点が多かった尿細管における尿酸輸送機序の理解を進めた。
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