研究課題
基盤研究(C)
2002年に共同研究者らとともに同定に成功した尿酸トランスポーター(hURAT1:human uric acid transporter 1)(Nature417(6887):447-452,2002)の変異の有無を、血縁関係のない本邦の特発性腎性低尿酸血症の8家系および、韓国の2家系において解析した。【方法】特発性腎性低尿酸血症の患者およびその家族より文書によるinformed consentを取得後、末梢血よりゲノムDNAを抽出し、hURAT1遺伝子(SLC22Al2)の全エクソンおよびエクソンーイントロン近傍をPCR-ダイレクトシークエンス法にて解析した。【結果】患者の血清尿酸値は全て1.0mg/dl以下であり、4人では運動後急性腎不全を発症していた。本邦の8人の患者中5人の患者にSLC22Al2にnonsense mutation(W258X)をホモ接合体で認めた。1家系の患者ではW258X/T218Mという複合ヘテロ接合体を認めた。残る2家系ではhURAT1遺伝子には変異をみとめなかった。W258X変異をヘテロ接合体で有する家族のメンバーも血清尿酸値は比較的低値であった(平均血清尿酸値2.7mg/dl)。本邦正常ボランティア145名にはW258X変異は認められなかった。韓国の2家系においてもSLC22Al2に変異を見出した。1家系ではW258Xをホモ接合体で有し、もう1家系ではW258X/R477Hという複合ヘテロ接合体を認め、韓国においてもhURAT1が腎性低尿酸血症の主たる責任遺伝子であることが明らかになった。2年間の研究は腎性低尿酸血症における尿酸トランスポーターhURAT1の病因的意義を明らかにしたのみならず、不明の点が多かった尿細管における尿酸輸送機序の理解を進めた。
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