• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

免疫担当細胞の機能と腫瘍化を制御する分子-Ku70/80-に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15591092
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

森尾 友宏  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (30239628)

研究分担者 寺岡 弘文  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30019137)
峯岸 克行  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10343154)
キーワードKu70 / Ku80 / アポトーシス / 免疫グロブリンクラススイッチ / TCF1 / degradation
研究概要

まず(1)Kuの分解とそれによるアポトーシス誘導について検討を加えた。まず膵臓のacinar cell lineを用いた検討では、酸化ストレスによりKuのdegradationが誘導され、細胞がアポトーシスに陥ることでKuの過剰発現によってこれを抑えることが明らかになった(J. Biol Chem.278:36676-36687,2003)。この分解にはセリンプロテアーゼが関与するが、さらにNF-kBも関与しているらしいという証左をうかんでいる。ヒト休止期B細胞でも同様の現象が観察されつつある。ドミナントネガティブKu分子を細胞に導入した際に、そのまま細胞死を起こすものと、刺激が加わって初めて細胞死が顕著になるものがある。細胞死を起こさなかったものについては、以後の形質変化が起きる可能性もあり、これらの関係をさらに詳細につめる準備が整った。
また(2)TCF1との会合についての検討では、TCF1をFLAG-TCP1として組換えタンパクを作成することを試みたが、収率が悪く、現在His-TCF1のシステムで再検討中である。Ku70,Ku80についてはそれぞれ7,8領域に分けて発現させることが可能なため、His-TFC1発現系が完成次第、その会合様式が明らかになると期待できる。またKuのリン酸化とTCF1との会合の関係についても検討が可能な状況になっている。
さらに(3)B細胞系での検討を容易にするために、樹状細胞株を用いたB細胞の長期培養系の確立を試みている、Fcレセプターを有する樹状細胞にCD40抗体をまぶし、さらにIL-4を添加して増殖を試みる方法である。これが完成すればB細胞へのクラススイッチ誘導、IgE産生に対するKuの作用をより詳細に検討できるものと期待している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Imai K, et al.: "Clinical course of patients with WASP gene mutations."Blood. 10. 456-64 (2004)

  • [文献書誌] Song JY, et al.: "Oxidative stress induces nuclear loss of DNA repair proteins Ku70 and Ku80 and apoptosis in pancreatic acinar AR42J cells."J.Biol.Chem.. 278. 36676-36687 (2003)

  • [文献書誌] Imai M, et al.: "Coordinated regulation of the promoter and enhancer regions of human CD23 gene by signal through IL-4R and CD40, and the role of Ku70/80 in the enhancer activity."J.Med.Dent.Sci.. 50. 155-165 (2003)

  • [文献書誌] 森尾友宏: "DNA切断修復に関与する分子と免疫系"日本臨床免疫学会会誌. 26. 115-120 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi