研究課題
基盤研究(C)
ラットの胎児の頭部組織から採取し、培養した神経幹細胞にEnhanced green fluorescence protein(EGFP)遺伝子を導入した。この神経幹細胞10^4個を、モルモットのミエリン塩基性タンパクをルイスラットに感作して誘導した実験的自己免疫性脳脊髄炎の回復期の中枢神経組織(大脳半球)に移植したが、脳脊髄炎の臨床症状に関して差はみられなかった。脳脊髄炎回復後に解剖して中枢神経系の病理組織標本を作成、蛍光顕微鏡を用いてEGFP陽性細胞の分布を確認した。この実験的自己免疫性脳脊髄炎は主に腰部脊髄を中心に白質および灰白質の炎症を起こした。しかし,大脳半球に移植した神経幹細胞はほとんど脳脊髄炎を起こした腰部脊髄組織には確認できなかった。次にタイラー脳脊髄炎ウイルスをSJL/Jマウスの脳内に接種して発症させた脱髄疾患モデル動物の大脳半球にマウス胎児の神経幹細胞を移植したが、やはり脊髄に神経幹細胞の生着は確認できなかった。さらに髄鞘オリゴデンドロサイト糖蛋白の脳炎起炎ペプチドである35-55をNODマウスに感作して発症させた再発寛解型脳脊髄炎初発時のやや回復期の大脳半球に神経幹細胞を移植した。このNODマウスは脊髄炎とともに視神経炎を起こしており、少量ではあるが移植した神経幹細胞が寛解期の視神経に確認された。しかし、臨床症状の回復あるいはその後の再発頻度に差はみられなかった。この脳脊髄炎では炎症性サイトカインが脳脊髄炎の発症に深く関わっていることが知られており、各種サイトカインの動態が神経幹細胞移植における移植細胞の生着に関係していると考え、今後炎症性および調節性サイトカインの各病期における動態を調べ、神経幹細胞移植の生着と臨床症状の改善に関する研究を行う必要がある。
すべて 2006 2004
すべて 雑誌論文 (8件) 図書 (2件)
母性衛生 47巻1号
ページ: 399-406
ページ: 507-513
Japanese Journal of Maternal Health Vol 47, No 1
ページ: 153-160
ページ: 190-196
Pediatrics for nurse and co-medicals
ページ: 148-157
Journal of Pediatric Hematology Oncology 26巻11号
ページ: 735-739
Journal of Pediatric Hematology Oncology Vol 26, No 11
Maternal Nursing to study in examples
ページ: 89-111, 112-126