研究課題
基盤研究(C)
われわれは最近、先天性無ガンマグロブリン血症の患児より新規遺伝子であるLRRC8を単離・同定した。B細胞の分化の解明に重要と考えられるため、LRRC8の機能解析およびホモログの発現解析をおこなった。1)抗LRRC8ポリクローナル抗体を用いた解析により、LRRC8は末梢血B細胞に強く発現し、骨髄ではLRRC8はB細胞の成熟とともに発現されることが明らかとなった。また、脳組織ではマイクログリアで発現され、脾臓においてはマクロファージに発現が認められた。2)LRRC8には4個のホモログが存在し、極めて高いアミノ酸相同性を有しておりひとつのファミリー(LRRC8ファミリー)を構成していた。リンパ球の活性化や単球の刺激実験の結果から、このファミリーは、リンパ球・単球の増殖や活性化に関与していることが示唆された。3)LRRC8の白血病への関与をサザンハイブリダイゼーション法を用いて臨床検体で検討したが、白血病・リンパ腫細胞に大きな遺伝子異常は認めなかった。抗LRRC8抗体を用いたフローサイトメトリー法による解析においても異常はみられなかった。4)LRRC8の機能をさらに詳細に検討するために、LRRC8欠損マウスを作成中である。マウスLRRC8遺伝子は2つのエクソンから成るが、遺伝子全長の8割以上を占めるexon1を欠失したターゲッティングベクターを作成して、現在、ES細胞への導入さらにはキメラマウスの作成中である。
すべて 2004 2003
すべて 雑誌論文 (4件)
FEBS Letters 564(1-2)
ページ: 147-152
J Clin Incest 112(11)
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