研究課題に関して以下3項目について平成16年に行った内容を報告する。 1)遊離脂肪酸分析 分析方法を確立し、全国からのハイリスクスクリーニングの検体の分析を行った。平成16年度は282検体を分析した。グルタル酸尿症2型疑いが6例みられた。 2)3-ヒドロキシ脂肪酸分析法の確立 Mitochondrial trifunctional protein欠損症、正常対照の血清、血液ろ紙を用い、患者では3-ヒドロキシ脂肪酸が増加していることを確認した。 3)線維芽細胞への脂肪酸の取り込み(β酸化能)実験 グルコースフリーの培養液を用い、培養液中にリボフラビンを様々な濃度で加え、パルミチン酸放射性同位体の取り込みおよび分解(β酸化)を検討した。検体にはグルタル酸尿症2型の細胞を用いた。その結果、筋型ではβ酸化能は正常対照と変わらなかった。軽症型では、より鋭敏なβ酸化能の系が必要であると思われた。
|