研究概要 |
【目的】cysteinyl leukotriene(cysLT)は気管支平滑筋収縮作用を有する。しかし、cysLT1受容体を有するCD14+単球への作用はいまだ明らかではない。cysLT1受容体拮抗薬の気管支喘息に対する有用性は気管支平滑筋収縮抑制作用だけではないと考えられている。CysLT(LTC4,LTD4,LTE4)刺激によりCD14+単球からのサイトカイン産生及び表面抗原の変化を検討し、さらにその変化に対するcysLT1受容体拮抗薬の抑制効果も検討したので報告する。 【方法】ヒト単球系白血病細胞THP-1及び健康成人から採取した末梢血よりAutoMACSを用いnegative selectionしたCD14+単球を用いた。方法は1μM LTC4,LTD4,LTE4を添加し、2時間後の上清を採取し、interleukin-2(IL-2)、IL-4、IL-6、IL-10、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、interferon-γ(IFN-γ)、monocyte chemoattractant protein 1(MCP-1)を測定した。またフローサイトメトリーを用いて細胞表面のCD16、CD26、CD54、CD80、CD97の変化も検討した。さらにcysLT1受容体拮抗薬であるプランルカスト水和物の添加による変化も検討した 【成績】LTC4、LTD4、LTE4を添加により、THP-1細胞及びCD14+単球よりMCP-1が産生されることが明らかになった。またプランルカスト水和物はこの作用を抑制した。MCP-1以外のサイトカインの有意な産生や表面抗原の変化はなかった。 【考察】cysLT1は単球からMCP-1を産生し、プランルカスト水和物がこれを抑制することから、アレルギー疾患における単球の重要性が示唆された。
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