1.牛乳アレルギー患者における牛乳アレルゲン特異的サイトカイン産生ヘルパーT細胞の解析 牛乳アレルギー患者を対象に、牛乳アレルゲンで刺激したCD4陽性T細胞の増殖とサイトカイン産生を、carboxyfluorescein succinimidyl ester(CFSE)を用いたフローサイトメトリー解析により同時に検討した。 牛乳アレルギー患者ではアレルゲン特異的なCD4+T細胞の増殖反応が強く、また、IL4/IFN-_Y比で示されるTH2側への偏りにも異常が認められることが示された。一方、アウトグローにより耐性を獲得した場合には、T細胞の増殖反応が低下する以前にTH1/TH2バランスが正常化することが示された。今回の検討では抑制性のサイトカインであるIL-10を産生するヘルパーT細胞には一定の傾向が認められなかった。 2.FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連解析 食物アレルギー患者および非アレルギー者を対象としてFOXP3遺伝子promoter領域のマイクロサテライト多型をABI PRISM 3100 Genetic Analyzerを用いて測定し、FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連解析を行った。 その結果、FOXP3遺伝子プロモーター領域のマイクロサテライト多型は、食物によるアナフィラキシーの既往の有無と有意な関連が認められ、FOXP3遺伝子が、食物アレルギーの重症化などの病態形成に関与する可能性が示唆された。
|