Perfluorocarbonの肺胞内での抗炎症作用。 多孔性のポリエステルのフィルム上に、II型肺胞上皮細胞を単層培養し、グラム陰性菌の菌体成分であるリポポリサッカライド(LPS)またはグラム陽性菌のαトキシンでII型肺胞上皮細胞を刺激し、細菌性肺炎および肺胞上皮細胞障害モデルを作製した。この細菌性肺炎モデルに、液体人工換気で使用するPerfluorocarbonを肺胞側から加え、肺胞側、問質側の培養液中に分泌されてくるIL-8を測定した。液体人工換気に用いるPerfluorocarbonとして臨床応用が検討されているLiquiVentを用いても、その他のPerfluorocarbonであるFC-84を用いても、肺胞上皮細胞のIL-8分泌を抑制することが明らかになった。 Superoxide dismutase(SOD)による好中球を介した炎症の調節。 外因性のSODを作用させることで、好中球のアポトーシスを誘発した。このとき、annexin-Vと7-AADを用いたfluorescenceのパターンは、Fasを介し好中球のアポトーシスを起こした時にみられるパターンに類似していた。カタラーゼは好中球のアポトーシスとcaspase-3の活性を抑制した。また、Hydrogen peroxideは、好中球のアポトーシスにcaspase-依存性に関与していると考えられた。好中球のアポトーシスは、炎症を調節するメカニズムの1つとして重要であると考えられた。SODによる好中球のアポトーシスの促進は、炎症性の肺障害の治療に利用できる可能性が考えられた。
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