研究課題/領域番号 |
15591163
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
関沢 明彦 昭和大学, 医学部, 講師 (10245839)
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研究分担者 |
松岡 隆 昭和大学, 医学部, 助手 (20349111)
市塚 清健 昭和大学, 医学部, 助手 (00338451)
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キーワード | 母体血 / 胎児診断 / 浮遊DNA / 妊娠中毒症 / DYS14遣伝子 / real time PCR |
研究概要 |
妊婦血漿中に胎児由来のcell-free DNAが循環しているが、この安定した回収・定量が可能になった。今まで我々は、LightCycler (Roche)のシステムを用いてY染色体特異的なDYS14遺伝子を定量してきた。今回、我々はABI PRISM 7900 (Applied Biosystems)を用いて今まで以上に安定したシステムで、その定量を可能にした。その上で、今年度は妊娠中毒症における母体血漿中胎児DNA・総DNA量の変化を中毒症50例、正常コントロール300例の血漿サンプルを用いて評価した。その結果、次のような新知見を得て論文報告した。 1.妊娠中毒症の重症化に伴って胎児DNA量は増加する。 2.妊娠中毒症の蛋白尿・高血圧を合併する症例では胎児DNAが4.3倍に増加する。 3.妊娠中毒症の蛋白尿・高血圧は独立した因子として胎児DNA濃度に影響している。 4.妊娠中毒症では胎児DNA濃度は蛋白尿により強く影響をうける(蛋白尿が多いタイプは胎児DNAも高濃度である)。 5.胎児DNAは主に胎盤由来であり妊娠中毒症による絨毛傷害により胎児DNAが母体血漿中で増加する。 6.母体血漿中総DNA濃度も妊娠中毒症で増加する。 妊娠中期(妊娠17-24週)で、その後に妊娠中毒症を発症する症例の胎児DNA濃度および総DNA濃度は既に増加しており、これらは妊娠中毒症を予知するマーカーになりうる。
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