研究課題
基盤研究(C)
活性酸素等の酸化ストレスは、DNAや生体蛋白・脂質に傷害を与え、細胞死や癌化、老化の原因として極めて重要な因子であると考えられている。酸化ストレス応答系Nrf2-Keap1は、酸化ストレスに対して細胞が対抗する中心的システムとして最近同定された細胞内シグナル伝達系であり、細胞が酸化ストレスに暴露されると活性化し、抗酸化・生体防御蛋白の発現を活性化する経路であり、酸化ストレスから細胞を保護する主要な経路である。本研究では、皮膚におけるMf2-Keap1経路の役割を明らかにするために、真皮由来の線維芽細胞を用いて主として細胞レベルでUV照射におけるNrf2・Keap1系の動きと機能を解析した。その結果、(1)皮膚にはNrf2が豊富に発現していること、(2)Nrf2発現レベルは表皮ケラチノサイトの分化(角化)により変化しないこと、(3)UVA照射によりNrf2の活性化(核内移行)が照射後4時間以内に起こり、その活性化は光増感剤であるポルフィリン添加により増強されること(4)UVB照射では、Nrf2はむしろ不活性化されること、(5)UVA照射による細胞死に対して、Nrf2の過剰発現は保護的に働くこと、などを明らかにし、特にUVA照射による皮膚細胞障害に対してNrf2活性化が細胞保護に重要であることを示した。上記の研究成果は、Journal of Investigative Dermatology誌にアクセプトされ、2005年度に掲載予定である。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (16件)
Journal of Investigative Dermatology (in press)
Journal of Investigative Dermatology 124
ページ: 825-832
Internal Medicine 43
ページ: 253-255
European Journal of Haematology 72
ページ: 149-153
Leukemia Research 28
ページ: 1287-1292
Phytotherapy Research 18
ページ: 895-899
Journal of Investigative Dermatology 123・(6)
ページ: 1120-1126
Journal of Investigative Dermatology 123
Experimental Dermatology 12
ページ: 412-417
Journal of Investigative Dermatology 120
ページ: 781-783