研究課題/領域番号 |
15591179
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
荒瀬 誠治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90108887)
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研究分担者 |
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
大浦 一 徳島大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (20284284)
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キーワード | 毛成長 / 毛乳頭細胞 / アデノシン / FGF-7 / ATP依存性Kチャネル / ephrin A3 / BMP3 / DNAアレー |
研究概要 |
すでに我々は、ATP依存性Kチャンネル開口剤のミノキシジル(MXD)は人の毛乳頭細胞のABCトランスポーターに作用し、アデノシン(Ad)受容体を介して最終的にはVEGF産生を促すことで、毛髪成長を促すことを発表した[1]. Adの作用はこれだけとは考えられないことより、毛乳頭細胞にアデノシンを作用させて、DNAアレーで2万個以上の遺伝子発現変化を見たところ、FGF-7が著明に上昇した。その後の確認実験で、アデノシンは毛乳頭細胞のアデノシン受容体2bに結合後、FGF-7産生を促進し、毛包全体が持つFGF受容体を介して、毛髪成長を促すことが判明した[2]。この成果を元にして、アデノシン含有の養毛剤が開発され社会に出された。 一方、同一人の若禿げ(脱毛)部と正常部から毛乳頭細胞を培養し、両細胞での遺伝子発現の違いをDNA macroarrayで分析したところ、脱毛部細胞ではBMP2とephrin A3の発現が顕著に抑制されていた。その後、両者とも毛包構成細胞の増殖を促進させる物質であることを確認した。若禿げ部の毛乳頭ではBMP3とephrin A3の発現が何らかの作用で押さえられることで、毛髪の成長が抑制されると考えた[3]。この研究はその後、両者の産生促進物質を含有した養毛剤の開発につながった。 いずれの研究も、当初の目標である新規育毛剤開発につながったことより満足の行くものではあるが、遺伝子発現の亢進、抑制がみられたものは他にもあり今後も追求したい。
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