研究課題/領域番号 |
15591190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
藤村 響男 北里大学, 医学部, 講師 (50209087)
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研究分担者 |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
與儀 ヤス子 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・生体防御第二研究室, 室長 (10210600)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | らい菌 / 侵入蛋白 / 病原因子 / mce / 感染様式 |
研究概要 |
ハンセン病は、らい菌(Mycobacterium leprae)の感染により皮膚や末梢神経が侵される慢性の抗酸菌感染症であるが、本菌の人工培養法が確立していないため、未だ感染様式等不明な点が多い。Mce1A蛋白は結核菌のmce1A領域にコードされる蛋白で、結核菌の上皮系細胞への侵入やマクロファージ内における生存、増殖への関与が報告されている。結核菌mce1A領域と相同性の高い領域が、らい菌にも存在する事が明らかとなり、リコンビナント蛋白を用いた研究から本領域が、らい菌の上皮系細胞への侵入にも関わる重要な領域である事が報告された。今回、らい菌の上皮系細胞への侵入に関わるmce1A領域のactive sequenceを明らかにする事を目的に検討を行った。 らい菌mce1A領域(1326bp、442aa)のN末及びC末をトランケートした組み換え蛋白を大腸菌を用いて作成した。各種トランケート蛋白(r-lep37KDa、r-lep27KDa)をFITC標識ポリスチレンビーズ及びラテックスビーズにコートし、HeLa細胞への侵入活性をフルオロメーター及び電子顕微鏡を用いて検討した結果、N末から316bp(105aa)、C末から921bp(307aa)をトランケートしても侵入活性が維持された。次に、316〜921bpの領域を316〜531bp、532〜753bp、754〜921bpに3分割し、各領域をAIDAベクターに組み込み大腸菌の菌体表面に表出させた。各組み換え大腸菌を単層培養したHeLa細胞及びBEAS-2B細胞に加え、菌の細胞内への侵入を電子顕微鏡を用いて観察した。また、各組み換え大腸菌を抗r-lep27KDa抗体を用いて処理し、単層培養したBEAS-2B細胞に加え、抗体による侵入抑制効果をコロニーカウント法によって検討した。その結果、316〜531bpの領域でのみ侵入が観察され、その侵入活性は抗体により抑制されることが明らかとなった。さらに316〜531bp内の一部ペプチド(388〜453bp)を合成し、colloidal gold particlesにコートして、BEAS-2B細胞への侵入を電子顕微鏡を用いて観察した結果、合成ペプチドにもBEAS-2B細胞への侵入活性が認められた。これらのことから、active sequenceは316〜531bpの領域の中でも388〜453bpに存在する事が示唆された。
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