BALB/cマウスの大腿骨ならびに頚骨から骨髄細胞を採取し、mouse recombinant GM-CSFとIL-4の存在下で7日間培養を行い、未熟な骨髄由来の樹状細胞を分化誘導した。培養中の後期2日間にそれぞれsubstance Pを0M、1x10^<-9>M、1x10^<-8>M、1x10^<-7>M添加し、得られた樹状細胞の膜抗原の発現についてflow cytometryで検討を行った。膜表面のMHC class II、CD11c、CD40、CD80、CD86、CD45R/B220の発現量について比較検討したところ、substance P添加濃度にかかわらず差はみられなかった。骨髄由来の樹状細胞の分化後期にはsubstance Pは明らかな影響を与えないと判断された。現在substance Pの添加時期の差や抗原刺激後の成熟過程での影響を検討中である。 同じくBALB/cの体幹より皮膚を採取し、dispaseならびにtrypsin酵素処理にて表皮細胞の細胞浮遊液を作成した。これをFITC-抗MHC class II(I-A/I-E)抗体で染色しcell sorterを用いて陽性細胞すなわち皮膚ランゲルハンス細胞を分離精製した。得られたランゲルハンス細胞に上記と同様substance Pを各種の濃度で添加し48時間後の膜抗原についてflow cytometryで解析を行った。結果上記の分子に関してはsubstance Pの添加による発現量の変化は認められなかった。
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