研究課題/領域番号 |
15591210
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (00211178)
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研究分担者 |
林 博史 山形大学, 医学部, 講師 (00333956)
駒谷 昭夫 山形大学, 医学部, 講師 (10107188)
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キーワード | 前頭側頭型痴呆 / ピック病 / SPECT / MRI / 拡散強調画像 / 海馬 / アポリポ蛋白E |
研究概要 |
前頭側頭型痴呆(FTD)とアルツハイマー型痴呆(AD)の画像診断上の相違点をみるために、1)マルチショット拡散強調画像(MS-DWI)を用いたMRIによる海馬の内部構造の画像化、および2)脳血流SPECTに統計画像Easy z score imaging system(eZIS)を組み合わせた脳表および断層像の機能解剖について、昨年度と同様に検討した。 海馬MS-DWI-MRIは、AD36例、FTD12例に増やして検討した。ADでは病初期から海馬CA1および海馬支脚の非薄化を認めたのは同様であった。また、海馬吻側よりも尾側でより萎縮が強い傾向があった。さらに、萎縮には、しばしば、左右差を認める例があり、ウェクスラー記憶検査の言語性記憶と視覚性記憶の乖離と対応している傾向があった。 FTDの意味痴呆(SD)型では海馬の萎縮はADよりも高度でかつ左右差が目立っていた。また、側頭葉の殆どない側でも、海馬の萎縮はすでに起こっていた。SD型と比べると、ピック型では海馬の萎縮は比較的軽度、FLD型では萎縮はみられず、FTDの亜型により異なっていた。したがって、海馬MRIは、ADおよび、FTDの病型の鑑別に役立つ可能性が高い。 SPECTは、AD66例、FTD20例に増やしてeZIS解析を行った。ADでは、早期発症型では後部帯状回の血流低下はより明瞭で、頭頂葉も低下が同時に低下する傾向があった。一方、晩期発症型では、後部帯状回や頭頂葉の低下は目立たない傾向があった。FTDについては、早期から前頭葉や前部側頭葉の血流低下が明瞭に描出され、簡便にADとの鑑別ができた。SDの一部の例では、側頭葉後部から頭頂葉に血流低下部位が及んでおり、かつ後部帯状回の低下がみられる例があった。しかし、これらの例でも側頭葉前部が主病変であることにはかわりはなかった。 ApoE多型では、AD50例、FTD9例について測定し、E4を有する割合は、対照13%に対して、AD46%と有意に高く、FTDでもまだ少数例で予備的な結果ではあるが44%と高頻度であった。
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