研究課題/領域番号 |
15591210
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助教授 (00211178)
|
研究分担者 |
林 博史 山形大学, 医学部, 講師 (00333956)
駒谷 昭夫 山形大学, 医学部, 講師 (10107188)
|
キーワード | 前頭側頭型認知症 / ピック病 / アルツハイマー型認知症 / MRI / 海馬 / SPECT / アポリポ蛋白E / 拡散強調画像 |
研究概要 |
前頭側頭型認知症(FTD)とアルツハイマー型認知症(AD)の画像診断上の相違点をみるために、1)マルチショット拡散強調画像(MS-DWI)を用いたMRIによる海馬の内部構造の画像化、および2)脳血流SPECTに統計画像Easy z score imaging system(eZIS)を組み合わせた脳表および断層像の機能解剖について、昨年度と同様に検討した。 ApoE多型では、E4を有する割合は、対照13%に対して、AD46%と有意に高く、FTDでも44%と高頻度であった。 海馬MS-DWI-MRIは、AD36例、FTD15例に増やし、ピック型と意味認知症(SD)に分けて検討した。その結果、ピック型では両側の海馬支脚の有意な萎縮を認め、その程度は軽症ADと同等であった。SDでは、患側のみで海馬支脚の有意な萎縮を認め、健側では正常範囲であった。FLD型では海馬の萎縮は認めなかった。海馬の萎縮は、FTDの亜型により異なっており、海馬MRIは、ADおよび、FTDの病型の鑑別に役立つ。 SPECTは、AD80例、FTD24例に増やしてeZIS解析を行った。ADでは、早期発症型では後部帯状回の血流低下はより明瞭で、頭頂葉も低下が同時に低下する傾向があった。一方、晩期発症型では、後部帯状回や頭頂葉の低下は目立たない傾向があった。FTDについては、早期から前頭葉や前部側頭葉の血流低下が明瞭に描出され、簡便にADとの鑑別ができた。SDの一部の例では、側頭葉後部から頭頂葉に血流低下部位が及んでおり、かつADのように後部帯状回の低下がみられる例があった。しかし、これらの例でも側頭葉前部が主病変であることにはかわりはなく、また片側性である点がADとは異なっていた。また、これらの症例の一部には皮質基底核変性症が含まれている可能性が考えられた。
|