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2003 年度 実績報告書

遺伝性てんかんモデルのNPY受容体遺伝子解析による発作発生機序の分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 15591218
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

増井 晃  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80190346)

研究分担者 金井 裕彦  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30293830)
キーワードてんかん / 遺伝性モデル動物 / 自発性けいれん発作 / 神経新生 / アポトーシス / 部分発作 / 強直間代性発作 / ニューロペプチドY
研究概要

近年発達期以降でも海馬subgranular zone(SGZ)や嗅神経系を中心に神経再生が行われていることが証明され、学習や記憶の機序解明において注目されている。また、カイニン酸やキンドリングを用いたてんかんモデル動物でも神経再生が増加することが報告されている。遺伝性モデルであるノダてんかんラット(NER)は6-7週齢よりミオクローヌスを生じ、9-10週齢より二次性の強直間代性発作を起こす。われわれはNERにおいて、発作全般化にニューロペプチドY(NPY)神経系の関与を報告してきた。本年度は、この自発性けいれん発作モデルであるNERを用いて、けいれん準備性と神経再生について検討した。
7週齢、12週齢NER(各n=5)を、4%パラホルムアルデヒドにて還流固定し、背側海馬を含む厚さ25μmの標本を作成した。神経再生はKi67、phosphorylated Histone H3、NeuroDの3種類、またアポトーシスはCaspase3をマーカーとして、それぞれ免疫組織化学法により同週齢のWistar系ラットを対照に検討した。定量化法として、左側海馬SGZにおける免疫陽性細胞数を計測し、Student's t-testを用いて有意水準を5%以下として検討した。
NERでは、7週齢で細胞再生を示すマーカーはいずれも優位に低下しており、実験てんかんモデルとは逆に、発達期で神経再生が減少している可能性が認められた。一方、Caspase3は7週齢、14週齢ともに優位に低下しておりアポトーシスは一貫して減少していると考えられた。これまでの結果と併せると、発達段階における扁桃核でのNPY合成亢進が投射先の海馬で神経回路形成異常の原因となり、その後の自発性けいれんの発作全般化に関与している可能性が示唆された。次年度はin vitro培養系で、NPYと神経再生の直接的関連について検討する予定である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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