研究課題/領域番号 |
15591222
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
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研究分担者 |
郭 哲次 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70185718)
北端 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90264887)
松本 直起 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60326361)
森田 佳寛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90336884)
鵜飼 聡 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80324763)
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キーワード | 統合失調症 / 脳磁図 / 幻聴 / 前頭前野 / ストループ課題 / 語産生課題 / 並列分散情報処理 |
研究概要 |
統合失調症患者の前頭前野を中心とする並列分散情報処理を脳磁図・空間フィルタ解析で検討した。この解析は高次脳機能活動に伴う電流源変化を推定しMRIに重ねることができ、時間分解能は最高で200msまで可能である。 前頭葉抑制課題(Stroop)で認知・統合・運動反応の一連の並列分散情報処理の画像化を試みた。健常群では認知系(左頭頂後頭領域)、組織統合系(右前頭局部、左DLPFC)、運動系が、それぞれ潜時300ms、350ms、450msで重なりあいながら賦活された。一方、非幻聴群では認知系の賦活領域が拡散していたが、DLPFCは左優位であった(左4/5例、右0/5例)。幻聴群では認知系の賦活が見られず、DLPFCは右優位(左が0/4,右が3/4)であった。つまり左頭頂葉機能の障害が程度の差はあるものの非幻聴群、幻聴群に見られ、左前頭前野の賦活障害が幻聴群で見られた。 語産生課題(しりとり)で言語関連領野を検討した。左半球が主に賦活され、健常群では左後上側頭回、左下前頭回が、患者では左DLPFCが賦活された。後上側頭回の賦活の有無で健常群(11/12名)と患者群(0/12名)が区別でき、さらに左後下前頭回の賦活の有無で幻聴群(7/7名)と非幻聴群(0/5名)が区別できた。解析したのは25-60Hzの活動である。全員より文書による同意を取った。 前頭葉抑制課題で頭頂葉の機能障害が示されたが、これは認知障害が必ずしもhypofrontalityに起因しない可能性を示唆する。語産生課題では左後上側頭回の機能障害と、患者が内言語をモニターしていない可能性を示す。
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