研究概要 |
統合失調症患者および正常対照者の死後剖検脳よりRNAを抽出し,18Sと28SのリボソーマルRNAを測定することによって,そのqualityを調べた. 良好なqualityを保持していた統合失調症患者6サンプルとコントロール6サンプルのRNAを用い,それぞれ逆転写酵素によりcDNAを作製し,さらにそのcDNAを鋳型にラベル化されたcRNAのプローブを作製した. 作製された統合失調症患者及び正常対照者由来のそれぞれのプローブを用い,約2万2千個のcDNAがブロット済みのDNA chipとhybridizationを行った.統合失調症群と正常対照者群のDNA chip結果の比較解析により,統合失調症特異的に増加している遺伝子57個と減少している遺伝子20個を同定した. 以上のDNA chip解析より得られた統合失調症特異的発現変化のみられる遺伝子について,統合失調症患者302名と健常者309名の血液サンプルより抽出したDNAを用い,現在PCR-RFLP法による遺伝子解析を行っている. さらに,そのうちの一つの遺伝子についてwestern blotting法を用いて蛋白定量を行い,発現量の変化を確認した.
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