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2003 年度 実績報告書

アルコール・依存形成薬物によるストレスの神経細胞応答とその記憶の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15591238
研究機関札幌医科大学

研究代表者

相馬 仁  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70226702)

研究分担者 小澤 寛樹  長崎大学, 医学部, 教授 (50260766)
齋藤 利和  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50128518)
黒木 由夫  札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
キーワードアネキシン / アポトーシス / Ca^<2+>-イオノフォア / 転写調節因子 / アルコール障害 / アルツハイマー病 / ストレス障害
研究概要

アルコールや依存形成薬物は、細胞にストレスを与え、またCa^<2+>やcAMPを介する細胞内情報伝達系に異常をもたらし、細胞障害(アポトーシス)を誘導する。これまでの研究で次の結果を得た。
1.すでに培養細胞で、アルコール濃度に依存して、リン脂質・Ca^<2+>結合蛋白質アネキシンIVの発現が増大し、転写調節因子NFκBの活性化が起こることを明らかにした。本研究で、Ca^<2+>結合部位に変異を加えた変異体を用いた、レポータージーンアッセイから、アネキシンIVのCa^<2+>結合部位がNFκBの活性化に必須であることを明らかにした。
2.NFκBは細胞質でIκBと複合体を形成し不活性化されているが、消化酵素によるIκBの分解で遊離したNFκBは、核内に移行し活性を持つ。アネキシンIVによるNFκBの活性化は、IκBの分解亢進によることが判明した。また、アネキシンIVはNFκBと結合することも示され、NFκBの活性化に係わる可能性がある。
3.Ca^<2+>-イオノフォアによる細胞障害で、アネキシンIVおよびアネキシンVの発現が増大し、特にアネキシンVは細胞外へ分泌されることがわかった。アネキシンVの生理的意味を探るためにアネキシンVを強制発現したHEK293細胞を用いてCa^<2+>-イオノフォアによるCa^<2+>障害を与えた結果、細胞障害性は減少した。細胞内で発現増大したアネキシンVがCa^<2+>-キレート剤として働いたものと考えられる。
4.しかし、ツニカマイシンによる小胞体ストレスでは逆にアネキシンVの強制発現で細胞障害性は増大した。一方、H_2O_2による酸化的ストレスに対して、アネキシンVの影響は認められなかった。
我々は、アルコール依存症やアルツハイマー病でアネキシンアイソフォームの発現が増大することを報告しているが、アネキシンの生理的意味を更に追求している。また、神経細胞病態に係わる他の因子について網羅的検討を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tomsig, J.L.: "Calcium-dependent regulation of tumor necrosis factor-α receptor signalling by copine."Biochem.J.. 378. 1089-1094 (2004)

  • [文献書誌] Sohma, H.: "Augmentation of ethanol-induced cell damage and activation of nuclear factor-κB by annexin IV in cultured cells."Alcohol.Clin.Exp.Res.. 27. 64S-67S (2003)

  • [文献書誌] 齋藤利和: "アルコール依存症のメカニズム"月刊精神科. 2. 213-218 (2003)

  • [文献書誌] 大川浩子: "痴呆の分子マーカー-血中に出現するカルシウム結合蛋白質アネキシンを指標にして-"老年精神医学雑誌. 14. 227-235 (2003)

  • [文献書誌] 相馬仁: "KEYWORD 精神(第3版)"先端医学社. 4 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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