研究課題/領域番号 |
15591239
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
続 佳代 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60207420)
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研究分担者 |
深津 亮 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10113614)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβタンパク / BACE / ネプリライシン / クロロキンラット / BACE遺伝子 / ノックアウト |
研究概要 |
アルツハイマー病は脳のAβ沈着症であることから、治療や予防のためには脳内のAβ量を低下させることが必要である。APPからAβを切り出す酵素BACE、産生されたAβを分解する酵素ネプリライシン(NEP)の役割、Aβとの相互関係を明らかにするために以下の検討を行った。 1.クロロキン動物モデルの筋病変での生化学的検討: クロロキン投与14日目のラットのヒラメ筋に各種プロテアーゼインヒビター添加リン酸緩衝液中でホモジナイズし、蛋白を可溶化した。抗Aβ抗体(BC40、BC42)、抗BACE抗体、抗NEP抗体を用いて免疫染色を行った結果、BC42と抗BACE抗体では病変筋に共通の40、25、12kDaのバンドが検出された。筋ホモジネートをSDS-PAGE後、電気的溶出により分画し、BC42、抗BACE抗体と反応するフラクションをこれらの抗体で免疫沈降した。免疫沈降したタンパクのN-末端アミノ酸配列をmicrosequencing法で検討中であるが、得られるタンパク量が微量でコンタミが多いため、現在、さらに精製度を高め、これらの蛋白の同定を試みている。 2.APP強発現細胞の作成 家族性AD患者の変異APP遺伝子を合成し、発現ベクターpcDNA(Invitrogen)に組み込んだ。組換えプラスミドを複数のマウス由来培養細胞に導入し、ブラストシジン含有培地により組換え体を選択した。選択された組換え体で産生されるAPPを蛍光抗体法によって半定量し、十分量のAPPを産生している細胞を選択した。 3.BACEノックアウト細胞の作成 作製したノックアウトベクターをAPP産生組換え細胞に導入した。導入細胞は、ブラストシジンおよびG418含有培地で培養した。現在、得られた細胞株に、正常なBACE遺伝子と、ノックアウトベクターによって破壊された遺伝子の両方を保持することを確認している。
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