研究課題
対象の異なる2種類のメンタルローテーション課題を用い、高時間分解能の複数電流双極子推定を適用し、両課題遂行時の脳内作動記憶系の時空間構造の差異について比較検討した。ひとつは手を用いたメンタルローテーションであり、もうひとつは文字を用いたメンタルローテーションとした。いずれも左半視野提示とした。その結果、いずれの視覚刺激に対しても、提示から0msec〜200msecにおいて、lateral occipital lobe、basal occipitotemporal area, inferior temporal gyrusに双極子の重心が推定された。一方、両者の違いは後期成分の活動において認められ、手のメンタルローテーションの場合、刺激提示から200msec〜300msecにおいて右半球のinferior parietal lobuleに活動源が推定された。これに対して、文字のメンタルローテーションの場合、刺激提示からおよそ300msecにおいて左半球のsuperior temporal regionに活動源が推定された。また、inferior parietal lobuleとpremotor areaの活動源は両メンタルローテーション課題遂行において認められた。ただし、手のメンタルローテーションの場合、premotor areaにおける活動は左半球優位であったが、文字のメンタルローテーションの場合には優位性が認められなかった。以上のように、高時間分解能の複数電流双極子推定を用いることで脳活動の時空間構造を精緻に分析することが可能となり、メンタルローテーションをおこなう対象の属性や性質の差異が脳内作動記憶系の異なる時空間構造パターンを誘発することが明らかにされた。
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