研究概要 |
本年度の研究実績概要 (1)検体の収集:統合失調症は約500名、双極性障害は200名の収集を行った。Family-basedの解析が行えるよう、患者及び両親のtriadも約50組収集した。薬剤反応性の評価は非定型抗精神病薬リスペリドンの反応性について約100例、SSRIフルボキサミンの反応性については約60名の収集を行った。 (2)神経伝達物質受容体遺伝子多型検索と同定:変異検索・同定については既知の5-HT受容体のうち、未検索の3A,6,7サブタイプについて完了したGABA受容体遺伝子についてもα1,α6、β2、γ2について完了した。 (3)上記から得られた変異を用いて日本人集団での該当領域での詳細な連鎖不平衡地図を作製した。この情報をもとに統合失調症、双極性障害、覚醒剤精神病患者での連鎖不平衡関連解析を行った。いくつかの領域について関連が認められ現在さらに詳細な変異検索と関連解析を進行中で、疾患関連遺伝子の同定をめざしている。 (4)統合失調症との関連が報告されているNRG1、TNF-α、chimerin 2遺伝子について我々のサンプルを用いて再検討した結果、NRG1とTNF-αについては日本人統合失調症患者との関連は否定的であったが、chimerin 2についてはH204R変異が男性統合失調症患者との有意な関連を見いだした。
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