研究課題/領域番号 |
15591246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
志水 彰 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (90028457)
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研究分担者 |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
岩瀬 真生 大阪大学, 大学院・医学系研究科・精神医学教室, 助手 (60362711)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 慢性疲労症候群 / 認知行動療法 / 精神医学的経過分類 |
研究概要 |
大阪大学医学部附属病院血液・腫瘍内科疲労外来を受診した患者に対しSCIDに準じた精神科スクリーニング診察を大阪大学神経科・精神科にて行い、精神疾患のない群(I群)、CFS発症後に精神疾患を合併した群(II群)、CFS発症時点で精神疾患の診断基準も満たした群(III群)、CFSの精神医学的除外規定に該当する群(除外群)に分類した。本研究では主にI群の患者を対象とした。関西福祉科学大学心理教育相談センター上本町オフィスにおいて2週間に1回45分の治療セッション合計10回という設定で実施した。治療前には、PDQ-R、SSAS、CISS、社会再適応評価尺度により状態評価をし、治療効果判定のため、自覚症しらべ、JIBT、SDS、MOS-SF36を治療前後で評価した。治療内容は、疲労を遷延化させる認知の歪み(過剰適応、活動回避、身体症状へのこだわりなど)を問診や活動記録表を通じて患者が自覚できるよう援助し、適切な作業、休息計画の作成と実施、活動量の漸増を行うというものである。治療を受けた患者はいずれも疲労度などに改善が見られ本研究によるCBTの有効性が示唆されたが、効果の見られ方は個々の症例で異なり、画一的な評価基準では有効性の検出が困難と考えられた。本邦に適したCBTの特徴として、内科的治療、精神科薬物治療、CBTが矛盾せずに共同する必要があること、認知的技法よりは行動的技法が初期介入に適していること、治療効果の判定に客観的な評価法が必要なこと、などが判明した。現時点ではCFSの精神科的スクリーニング診察手順とCBTの手順の概要を主な論文として発表した。精神科スクリーニング診察の所見とCBTの有効例・無効例のデータの解析によりCBTの有効性と適応基準に関する知見が期待される。またCFSの精神医学的経過分類によりIII内科的予後が不良であることを見出しており、発表準備中である。
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