研究課題/領域番号 |
15591251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東洋大学 (2005) (財)東京都医学研究機構 (2003-2004) |
研究代表者 |
白石 弘己 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80291144)
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研究分担者 |
五十嵐 禎人 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (40332374)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 判断能力 / インフォームド・コンセント / 判断能力評価 / 医療の代諾 / 精神障害者 / 意識障害 / 知的障害者 / 認知症高齢者 |
研究概要 |
認知症高齢者、意識障害患者、知的障害者、精神障害者など、判断能力が低下している可能性がある人々に対して、自己決定を尊重しつつも、保護が必要な場合を適切に判断し、その人にふさわしい、また現在の日本の文化・社会的状況に照らしても妥当とされる代諾を得るためのシステムのあり方を明らかにすることを目的として研究を行った。150床以上の医療機関の精神神経科、脳神経外科、神経内科、老年内科に勤務する医師を対象としてアンケート調査を行い、300人から回答を得た。回答者の9割近くが、意識障害や認知症などのために判断能力を欠く患者を経験していた。標準的な判断能力の検査法の開発と普及に対する期待が高く(48.5%)、判定を特別の専門家に委ねるという意見は少なかった。また、日本では判断能力が低下している場合に、家族の同意を得て治療方針を決定することが一般的に行われていたが、家族がいない場合など誰を同意者にするかについてはさまざまな見解に別れた。次に、全国の病院に勤務する内科・外科の担当責任者を対象とするアンケートを行い、347人から回答を得た。「代理人がいない場合に、適切な代諾者を探すこと」には30.5%が困難を経験したと回答し、この場合の決定法として「複数の親族・知人が合議で決める」が一般的であることが判明した。「親族・知人が不在で、それ以外の代理人もいない」という事例を最近1年間に経験したとの回答は、全体の27.2%に上っており、その場合、ケースワーカー(52.2%)、主治医(28.3%)、上司や専門の医師(26.1%)、執刀医(5.4%)、倫理委員会(3.3%)、弁護士(2.2%)が代諾するなどの関与をしていた。以上の結果や諸外国の制度の調査結果などをもとにして、能力判定、代諾のあり方について提言を行った。
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