研究課題/領域番号 |
15591255
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
織内 昇 群馬大学, 医学部, 助教授 (40292586)
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研究分担者 |
遠藤 啓吾 群馬大学, 医学部, 教授 (10115800)
村上 博和 群馬大学, 医学部, 教授 (40166260)
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キーワード | FDG / PET / 悪性リンパ腫 / α-methyltyrosine |
研究概要 |
この研究は、がんの分子標的治療の効果判定と再発の早期診断にポジトロンCT(PET)を応用する際の至適評価法を明らかにするものである。まず動物実験により、B細胞性悪性リンパ腫の細胞株RPMI1788をSCIDマウスに皮下投与して悪性リンパ腫モデルを作製し、^<18>F標識デオキシグルコース(FDG)の取り込みを定量した。FDGはモデル動物の悪性リンパ腫に高い集積を示した。治療効果判定の基礎的検討として、抗CD20抗体単独あるいは化学療法との併用療法を動物モデルに施し、腫瘍の大きさの変化を経時的に評価した。今後は治療後の時期によるFDG集積の変化とグルコーストランスポーター発現の関係について解析を行うとともに、アミノ酸のポジトロン核種標識化合物である^<18>F標識α-methyltyrosine(FMT)の取り込みを定量し、治療効果判定におけるFMT-PETの有用性の基礎的検討を行なう予定である。 悪性リンパ腫の臨床例においては、FDGの初期診断における有用性は確立されており、発表を行ってきた_<1)>。FDG-PETは従来から画像診断として行われているX線CTやガリウム(^<67>Ga)シンチグラフィと比較して診断能が高く、特に治療後の評価はCTよりも正しく行える可能性がある。しかし治療後のどの時期にFDG-PETを行うことで効果判定や予後予測が正確に行えるかについては、科学的なデータがなく、高額で人手を要するFDG-PETを効率的に行い、臨床に役立てるための知見は十分でない。従って治療後の評価における臨床的有用性についても今後データを解析し、FDG-PETによる治療効果の至適評価法に関する知見を得たい。またFMT-PETの臨床例を増やし、FDG-PETとの比較を行うとともに、動物実験のデータとの対比を行う。 1)織内 昇、遠藤啓吾:悪性リンパ腫診断における核医学の進歩.内科90:437-442,2002
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