研究概要 |
実験申請後に、当初本年度の実験計画として予定していた「ゲフィニチブと放射線照射の併用による抗腫瘍効果の検討」については、他施設ですでにほぼ研究終了との情報を得たため、実験の主テーマを16年度に施行予定であった「ゲフィニチブと放射線照射の併用による放射線肺炎増強効果の検討」を前倒しした。 更に、臨床での肺癌治療方法を想定して、ゲフィニチブと抗がん剤を併用した場合の放射線肺炎についての相加効果・相乗効果の有無について検討することとした。 まず、実験目的に適したラット放射線肺炎モデルを作成するため、ラット左肺に15Mevの電子線にて15Gy,16Gy,17Gy,18Gy(1群3匹)照射後16週で屠殺・解剖し組織学的変化(リンパ球浸潤、肺胞構造破壊、線維化、II型肺胞上皮増生)を観察した。その結果、組織的に中等度の放射線肺炎が生じるよう線量を17Gyと決定した。 現在、ラット左肺に17Gy照射前・照射後(1群5匹)にゲフィニチブ(10mg/kg)を14日間連日経口投与中であり、今後組織学的変化(リンパ球浸潤、肺胞構造破壊、線維化、II型肺胞上皮増生、組織中)や線維化の過程の指標である血中TGF-β値を分析していく予定である。 また、上記の結果から、ゲフィニチブによる放射線肺炎増強効果の実験モデルについて照射線量が適切であるか検討し、ゲフィニチブの容量依存性の追加実験についても検討する。 更に、次年度にはラット肺照射後に抗がん剤(シスプラチン)をゲフィニチブと併用投与し、放射線肺炎の増強効果について検討する予定である。 その他、実験データ分析のため、画像取得機器・統計解析ソフト・ハードを購入した。
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