研究課題
平成18年度研究ではフリーラジカルの抑制に関係すると言われるN-nitro-L-arginine methyl ester (L-NAME)を高血糖下のラットに対して、虚血と同時に投与した場合、再開通前(虚血から30分)に投与した場合、再開通後(虚血から1時間後)に投与した場合の3つのグループと生理食塩水を投与しただけの虚血コントロール群の間で梗塞体積に差が出るかを拡散強調画像(b=1000、2000sec/mm^2)で検討した。前回の検討(平成17年度研究)ではb=3000sec/mm^2というかなり大きなb値を使った拡散強調画像であったが、これではS/Nがかなり低下したため、画質は不良となり、梗塞評価はできなかった。今回の検討では前回の中間的な強さであるか2000sec/mm^2での拡散強調画像を検討した.最終的な梗塞の評価にはb=1000sec/mm^2よりもコントラストの面で多少の改善はあったが、やはりS/Nの低下による画質劣化の問題がある場合もあり、梗塞評価に大きな優位性を持つとは必ずしも言い切れなかった。L-NAME投与によって、虚血と同時に投与した群では、それ以外の群よりも梗塞の体積は平均10%程度小さかった。しかしながら、両者間の梗塞の体積に有意差は認めなかった。一方、再開通前に投与した群、再開通後の群、およびコントロール群の間にも梗塞体積に有意差はなかった。
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