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2004 年度 実績報告書

乳癌患者のリンパ球コメットアッセイによる正常組織放射線感受性予測システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 15591272
研究機関熊本大学

研究代表者

大屋 夏生  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70281095)

研究分担者 平岡 真寛  熊本大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
キーワード放射線治療 / 乳癌 / 放射線性皮膚炎 / 急性反応 / コメットアッセイ / リンパ球 / 正常組織放射線感受性 / 放射線感受性予測
研究概要

放射線治療を施行した乳癌患者(約1500人)中、50人程度が患者の体質に由来するgrade 2の放射線性皮膚炎に該当すると判定された。そのうち、インフォームドコンセントが得られた29人から、末梢リンパ血を採取した(皮膚炎群)。さらに患者背景因子、治療因子をマッチングさせた、皮膚炎のない34人から、末梢リンパ球を採取した(コントロール群)。両群の患者背景、治療因子を解析したところ、年齢、閉経の前後、治療時期、病期、放射線治療に関連するパラメーター、併用療法の方法などにおいて、両群の間に有意な偏りは見られず、固有の放射線感受性以外の因子の影響が極力排除された2集団と判断された。
採取された末梢リンパ球は、「コメット法によるリンパ球放射線感受性・DNA修復能アッセイ」に供された。リンパ球は24時間培養された後、インビトロで12Gy照射され、照射直後から照射後180分まで経時的に、コメットアッセイにてDNA一重鎖の切断を定量した。各検体(患者)ごとに「照射後時間-テールモーメント」曲線を描き、この曲線をもとに、検体ごとの(1)DNAの初期損傷の程度(照射直後のテールモーメント)、(2)DNA損傷の修復の完成度(照射後3時間のテールモーメント)、(3)DNA損傷の修復のスピード(テールモーメントが初期値の半分になるのに必要な時間)、(4)DNA修復の全体量(テールモーメントが描く曲線の積分値)の4種のパラメーターを解析した。上記の(1)(2)(4)においては両群間に有意な差は見られず、(3)については、皮膚炎群において有意に延長していることが示された。以上より、末梢リンパ球のコメットアッセイは、放射線皮膚炎の発生の予測に応用できる可能性が示唆された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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