研究概要 |
(平成16年度の目的)平成15年度では我々はmicro-PETを用いた腫瘍の糖代謝の評価についての最適化を行った。日本白色家兎にVX-2を用い血行性肺転移モデルを作成し、in vivoでの空間分解能の検討行い、2mm程度の腫瘍においても描出可能でFDG集積も安定しており、FDG-PETによるVX-2を移植した家兎による実験系がmicro-PETで評価可能であることを証明した。平成16年度では、放射線照射and/or温熱によるFDG集積の変化と治療の一次効果との相関を検討した。(材料と方法)大腿部にVX-2を移植した家兎を用い、放射線照射10-30Gy、放射線10Gy+温熱43℃1時間、温熱43℃1時間の計5群について治療前、治療後24時間、治療後7日でのFDG集積について定量評価を行った。また定量評価は治療効果との相関を明らかにするため治療7日後の体積によりPR+NC群とPD群に再分類し検討した。(結果)腫瘍体積はresponderであるPR+NC群においてもPD群同様治療後24時間では腫瘍体積に変化が見られなかったが,FDGの腫瘍/筋肉比(T/M ratio)は治療前の56±15%であるのに対し,non-responderであるPD群では治療前の95±20%と変化なく,PR+NC群で有意にT/M ratioが低下した(p<0.05).一方,腫瘍体積に変化の見られる7日後では,PR+NC群,PD群それぞれ,78±33%,96±35%と治療前と有意な変化は見られなかった.またFDG静注後120分間データ収集したtime activity curveのpatternについてもT/M ratioの結果を反映していた. (結論)治療後の早期のFDG-PETは一次効果予測に有用であり,本研究でのnon-invasiveな治療効果判定法として適切であると考えられた.
|