研究課題
基盤研究(C)
非小細胞肺癌の生物学的特性を解明する目的で、非小細胞肺癌切除例を対象にテロメラーゼ活性およびその触媒サブユニットhTERT mRNA(hTERT)の発現を半定量的に解析し、p53やK-rasならびにEGFR遺伝子異常とともに、その臨床的有用性を検討した。その結果、テロメラーゼ活性・hTERTの発現は非癌部では認められず、癌部ではいずれも76%に発現が認められた。また、テロメラーゼ活性・hTERTの発現は、リンパ節転移の有無と相関し(p<0.05)、テロメラーゼ活性は分化度や病期分類とも相関を示した(p<0.05)。また、無病生存率では、hTERT発現例は非発現例よりも予後不良であった(p=0.0334)。p53とK-rasの変異発現は、非癌部ではみられず、癌部でも変異頻度が低いため各予後因子との関連を検討することはできなかった。以上から、テロメラーゼ活性・hTERTの発現は、生物学的悪性度を反映する指標の一つとなりうる可能性が示唆された。一方、EGFR遺伝子異常は18%に認められ、異常の有無とGefitinibの抗腫瘍効果との間には相関性が認められた。さらに、Lewis肺癌に対する照射実験では、ある種の血管新生阻害剤を用いると、低線量(10Gy/5回)の放射線照射でも高い抗腫瘍効果が認められた。現在、腫瘍と腫瘍母地での血管新生に関わる遺伝子発現状況と放射線感受性との相関について検討中である。臨床研究では、呼吸同期を用いた体幹部定位放射線照射システムを用いて定位放射線照射を行ったI期非小細胞肺癌24例の治療成績を分析・評価した。その結果、奏功率20/24(83%)で、有害事象は一例にgrade2(NCI-CTC)の肺臓炎が認められた以外には重篤なものは認められなかった。生存率は2年実測66%、2年死因特異的生存率82%で、累積局所再発率はT1で2年8%、T2では60%であった。
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