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本年度は、核医学・CT融合画像の作成に必要な核医学画像の体輪郭描出について検討を加えた。センチネルリンパ節検索のための食道癌、喉頭癌のリンパシンチグラムを対象とした。これまで、ガンマ線が体内を通過する際にコンプトン散乱により生じる低エネルギーの散乱線を一次線と別のウインドウで収集することにより、体輪郭を描出する方法について検討してきたが、この技術をSPECT撮像に応用した。SPECT撮像では各投影画像における散乱線成分のカウント数は少ないため、外部線源を用いて体表部における散乱線成分の増加をはかった。この結果、2検出器型のガンマカメラのそれぞれの検出器の収集範囲外の辺縁部分にTc-99m pertechnetate溶液37MBq/mlを1ml入れた1mlのシリンジを貼り付けて、各投影画像を30秒で、12°ずつ撮像することにより、融合画像作成に十分な鮮明さの体輪郭の描出が得られることが確認できた。
この画像をワークステーション(GMS-5500A/PI、東芝、東京)上で、ART (automatic registration tool)を用いて、CT画像と融合させることにより、センチネルリンパ節の解剖学的局在をより明瞭に示すことができた。リンパシンチグラフィでセンチネルリンパ節の存在が示唆された部位は、CT画像で通常、所属リンパ節が存在する部位であり、融合に伴う位置のずれは、実地診療上許容範囲内と考えられた。
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