深部静脈血栓症は、急性肺血栓塞栓症をひきおこすため、最近注目されている重要な疾患である。特に重症例では、右心不全から突然死をひきおこすことも決して少ないこととはいえない。 しかしながら、これらの治療法に関しては、昔ながらの抗凝固療法が広く行われており、特に重症例では治療に苦慮しているのが現状といえる。 そこで、我々は、カテーテルを用いた血栓溶解破砕吸引の臨床応用のために、平成15年度に基礎的検討を行い、最も適当なシステムを決定することができた。 そこで、平成15年度よりは準備段階、平成16年度よりは本格的に、日本医科大学付属病院に入院した、急性深部静脈血栓症症例を対象として、臨床応用を開始した。もちろん、臨床応用に際しては、学内倫理委員会の了解を得ている。 これらの一部に関しては、研究発表をおこない、論文・著書を作成した(日本血管造影インターベンショナルラデイオロジー学会雑誌19巻1号10頁、臨床画像20巻1号99頁、American Journal of Roentgenology 182巻2号467頁、改訂版救急疾患のIVR.手技の実際とポイント.122頁.メジカルビュー社)。 平成17年度は、更に症例を重ね、研究を継続していく予定である。
|