本研究では、生きた動物個体(ラット)を用いて内臓受容器からの中枢投射をMRI法により無侵襲、非破壊的に3次元画像化する方法を開発し、門脈-肝臓領域Na+受容器からの中枢投射を3次元MRI画像上で同定することを目的とする。 Fosタンパクの免疫染色を用いたラットの実験により、肝門脈内高張NaCl溶液投与に応答して、延髄や視床下部に数10um〜100um程度に分布する細胞群においてFosタンパクが発現することが見出されている。本年度は、このような内臓受容器からの中枢投射を動物個体を対象として、本研究で提案している高磁場動物用MRI法により、無侵襲、非破壊的に同定、画像化するために不可欠な方法論の確立に重点を置いた実験を行い、以下の成果を得た。 1)麻酔方法を含め、安定した動物実験法の確立。 2)安全で再現性のあるMn2+すなわち、MnCl2の投与方法の確立。 3)高感度RFコイル・プローブの作製。 4)Mn2+造影MRI法の最適化。 5)刺激に特異的な応答を抽出し、脳機能マッピングを作成する方法の確立。
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