平成15年度は、自律神経系からの中枢投射を動物個体(ラット)を対象として、本研究で提案している高磁場動物用MRI法により、無侵襲、非破壊的に同定、画像化するために不可欠な方法論の確立に重点を置いた実験を行ったが、平成16年度は、これらを更に発展させるとともに改良を加え、実際の動物実験系に応用し、その有用性を明らかにした。 自律神経系の刺激には、高浸透圧刺激を用い、MRI画像とc-fos発現により同定された反応部位を比較し、その有用性と限界を明らかにした。具体的には、以下の実験を行った。 1)麻酔方法を含め、安定した動物実験法の改良を行った。 2)安全で再現性のあるMn2+すなわち、MnC12の投与方法の改良を行った。 3)高感度RFコイル・プローブの改良を行った。 4)Mn2+造影MRI法の改良を行った。 5)MRI画像から刺激に特異的な応答を抽出し、脳機能マッピングを作成する方法の改良を行った。 6)高浸透圧刺激による自律神経系の興奮時に視床及び視床下部領域のMRI測定を行った。 7)高浸透圧刺激に対してMRI画像とc-fos発現により同定された視床及び視床下部領域の反応部位を比較し、その有用性と限界を明らかにした。
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