研究課題/領域番号 |
15591318
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研究機関 | (財)先端医療振興財団 |
研究代表者 |
坂本 攝 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 主任研究員 (40344402)
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研究分担者 |
千田 道雄 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 部長 (00216558)
中本 裕士 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 主任研究員 (20360844)
富永 英之 財団法人先端医療振興財団, 映像医療研究部, 研究員 (00393348)
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キーワード | 頭頚部悪性腫瘍 / 放射線治療 / 非侵襲性 / PET / F18-フルオロチミジン / F18-FDG |
研究概要 |
頭頚部腫瘍等の悪性腫瘍への放射線治療に対し、従来からのMRIやCTの形態学画像より、機能画像としてポジトロン放出断層画像(PET)が期待され、F18-フルオロデオキシグルコース(FDG)とF18-フルオロチミジン(FLT)を比較した。複数存在するF18-フルオロチミジンの合成方法のうち、昨年度に合成収率が最も高く安定的に合成できることを確認されたMartinらの方法を引き続き採用した。頭頚部腫瘍などの悪性腫瘍患者で同意を得た患者の放射線治療前と治療後に、FDG,FLTの両方のトレーサを用いたPETを行い、放射線治療の前後で視覚的評価やStandardized uptake value (SUV)の変化等にて検討を行った。 FDG-PETで放射線療法後の腫瘍への集積が治療前に比べ増加したのに対し、FLT-PETでは集積度が治療後に低下するという乖離が認められた症例を経験した。FDGはブドウ糖の類似物質であるため、炎症細胞、特に貪食細胞などにも集積することが知られており、FDG-PETでの集積度は必ずしも腫瘍の活動性を反映しておらず、放射線療法による炎症性集積をあわせて見ている可能性があるものと考えられた。これに対し、細胞の増殖を画像化することのできるPET薬剤であるFLT-PETで治療に伴い、集積が低下していることは、より鋭敏に抗腫瘍効果を反映し治療効果の判定のためのPETトレーサとして期待される知見を得た。ただし、治療後の経過観察期間が短い例が多く、真の有用性を論ずるには尚早である。今後さらに症例数を増やすとともに、臨床上の腫瘍制御率と合わせて検討していく必要がある。また、放射線照射野内に骨髄が含まれた例で、FDGに比しFLT集積が顕著に低下した症例を認め、FLTの方がFDGに比し骨髄の増殖能低下を反映しているものと考えられたのは、新たな知見である。
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