研究課題/領域番号 |
15591322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 成 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20250764)
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研究分担者 |
橋爪 英二 東北大学, 病院・助手 (70321990)
貝羽 義浩 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30323017)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 生体吸収性ポリマー / poly L-lactic acid / 血管吻合 / ステンレス |
研究概要 |
生体吸収性ポリマー(poly L-lactic acid : PLLA)で作製した吻合骨格と微小突起ステンレス板を用いた血管吻合法を考案し、ブタ腹部大動脈の人工血管置換を行い検討した。 PLLA骨格は線維径200μm、10角形で最大拡張径8mm、長さ15mm、厚さ60μmのステンレス板の両面に、高さ70μm、直径30μmの円錐形のステンレス微小突起を300μm間隔で配置し、これを10×18mmの梯子状の形態に切り出し帯状とした。人工血管の一端にPLLA骨格を装着し血管に内挿、吻合部外周にステンレス板を密着させた。体重20〜25kgのブタ7匹を用い、腎動脈下腹部大動脈を、中枢吻合にPLLA骨格と微小突起プレートを用い、末梢は手縫いで人工血管に置換した。吻合時間は中枢で223±81秒、末梢で、817±52秒で本法による吻合は手縫いに比べ有意に短時間で実施可能であった。5週後の造影では吻合部は平滑で狭窄は認められなかった。また、吻合部離解、動脈瘤形成はみられず、ステンレス板は組織内に取り込まれていた。内腔は平滑で半透明の仮性内膜で被われ、PLLA骨格が透見できた。PLLAの生体内での吸収は理論上10〜12ヶ月を要するとされているが、ポリマー骨格に5週間では変化はみられなかった。使用したPLLAは生体内では加水分解により10ヶ月程度で吸収されが、今回の検討では使用した豚の成長のために5週間までの観察に止めざるを得なかった。組織学的に内膜治癒は良好で炎症反応はほとんど認められなかった。 吻合部の生理的治癒のためには、内腔に異物が存在しないことが理想と考えられる。
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