研究概要 |
癌患者血清中には、癌特異抗原に対するIgG抗体が存在している。我々は、食道癌患者血清中に存在するIgG抗体をスクリーニングすることで、35種類の新規癌特異的抗原を発見し特許申請中である。平成15年度には、はじめに早期乳癌患者血清を採取保存し、血清バンクを構築した。次に、食道癌患者血清を用いて抽出した新規癌抗原に対する抗体の存在を検討した。検討した新規癌抗原は、次の17種類である。P53, myomegalin, CU-EC-1, enigma, mitosin, KIAA1545, ZIC2, Hook2, AGENCOURT_7565913, symplekin ; Huntingtin interacting protein, Alu subfamily SB sequence contamination warning entry, hepatocellular carcinoma-associated antigen HCA25a, AGENCOURT_7892870, surfeit 1, ATP synthase6, Ki-1/57 intracellular antigen, cyclin-like。これらの抗原に対するIgG抗体の存在の有無をWestern Blot法を用いて検討した。その結果、p53, myomegalin, CU-EC-1, mitosin, KIAA1545, ZIC2,AGENCOURT_7565913, surfeit 1, cyclin-likeに対する抗体が存在することが明らかとなった。陽性率は、myomegalin, ZIC2で30%以上であった。次に、p53に対する抗体を検出するELISAキットを作成して、多数の乳癌患者における病期別の陽性率を検討した。その結果、全症例では、陽性率は、20%であり、病期別では、stage Iで13%、非浸潤癌で10%であった。平成16年度については、myomegalinに対する抗体を解析できるELISAキットを作成して、さらに乳癌患者血清の解析を進める予定である。
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