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2004 年度 実績報告書

Srcシグナル伝達系を標的としたヒト乳癌遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15591337
研究機関名古屋大学

研究代表者

小田 高司  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30311715)

研究分担者 二村 雄次  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80126888)
梛野 正人  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20237564)
新井 利幸  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80335041)
濱口 道成  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90135351)
キーワードSHPS-1 / 乳癌
研究概要

Src homology 2(SH2)ドメインを持つtyrosine phospatase substrate 1(SHPS-1)は、signal regulatory proteins(SIRPs)のひとつとして発表された細胞膜貫通型糖蛋白質である。SHPS-1はSHP-2(SH2-protein tyrosine phosphatase-2)の基質として同定されスカフォールド蛋白として機能している。SHPS-1蛋白のチロシンリン酸化は細胞増殖、遊走をコントロールしている事が明らかになってきたが、上皮系細胞におけるSHPS-1の機能についての報告は少なく、まだSHPS-1の機能の一部しか明らかにはなっていない。
我々は現在までに、細胞株およびヒト乳癌組織を用いSHPS-1の機能について以下の事を報告してきた。
1.v-src癌化細胞にSHPS-1を強制発現させると、足場非依存性増殖が抑制された。さらにこの細胞をヌードマウスに移植すると腫瘍形成が抑制された。
2.RT-PCR法にてC末端領域にプライマーを設定し、ヒト乳癌細胞株でSHPS-1mRNAを確認し、Western Blottingにて約100KdaのSHPS-1蛋白を認めた。ヒト乳癌組織を用いた免疫染色による検討によりSHPS-1蛋白は発癌の比較的早い段階から発現がみられなくなることを確認した。また、本来膜に局在するSHPS-1蛋白が細胞質内に過剰発現した症例を35%(63例中22例)に認めた。SHPS-1蛋白の細胞質内過剰発現(蓄積)を来した癌では、SHPS-1発現のみられない癌(63例中41例)に比べ、細胞増殖能が高く、悪性度(Histological Grade)が高く、Disease Free survivalおよびOverall survivalともに有意に低下していた。細胞質内過剰発現(蓄積)を来したSHPS-1蛋白はSHPS-1遺伝子変異に起因する可能性があり、SHPS-1遺伝子は有力な癌治療の候補と考えられた。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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