研究課題/領域番号 |
15591341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 幹子 京都大学, 医学研究科, 講師 (20322159)
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研究分担者 |
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
鍋島 紀滋 京都大学, 医学研究科, 助手 (80314178)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 助手 (10252462)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 生体肝移植 / B型肝炎 / 肝炎再発 / ワクチン / 肝炎伝播 / 医療費削減 / 免疫抑制療法 |
研究概要 |
1990年6月から2002年10月までに、京大病院移植外科においてB型肝炎に対して生体肝移植を行った患者およびHBc抗体陽性ドナーから肝臓を提供された患者につき、現在B型肝炎発症予防目的で定期的に投与されているHBs抗体高力価グロブリン製剤の中止を目的として、B型肝炎ワクチンの接種を開始した。対象者は、(1)移植前にHBe抗原が陰性またはHBV-DNA量がプローブ法で陰性の症例、(2)肝移植後1年以上経過している症例、(3)ECOG PSが0または1の症例、(4)過去半年間に、わずかな上昇があっても肝機能が安定しており、免疫抑制療法がFK506またはサイクロスポリンA単独療法であること、(5)治療期間において京大病院に通院が可能な症例、(7)文書によるインフォームドコンセントが得られている症例とした。除外基準は、(1)過去6ヶ月間に、拒絶反応、胆道合併症、肝血管合併症、肝炎が無い症例、(2)試験開始時点で肝癌の再発がある症例、(3)重篤な急性疾患にかかっている症例、(4)B型肝炎ワクチンの成分によるアレルギーのある症例、(5)妊娠の可能性のある症例、(6)担当医師が不適当と判断した症例、とした。これまでに10人の患者が本臨床試験に登録され、1〜10ヶ月間追跡中である。1人が、6ヶ月目に1000IU/L以上の抗体を産生するにいたり、ワクチンの効果有りと判断した。1人は、抗ウイルス剤の内服を自ら中止したためと考えられるHBs抗原陽転化を認め、試験から脱落した。1人は、開始3ヶ月目に血中HBV-DNAが陽転化したため、試験を中止し、HBs抗体高力価グロブリン製剤投与を再開した。残る7人は、現在も試験を継続中で、これらすべての症例を含めた評価について、今後の課題となった。
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