研究課題
基盤研究(C)
カルシトニン(CT)とCT受容体(CTR)が乳癌の浸潤、転移へおよぼす影響について研究を行った。その結果、1)乳癌培養細胞におけるCTのシグナル伝達の解析;高転移能を示すヒト乳癌細胞株MDA-MB-231を用いて、MAPキナーゼ伝達系とCTの関係について解析をwestern blotting法により行った。CT刺激により、MAPキナーゼの1つであるERK1/2の恒常的リン酸化の抑制が見られた。これには、CTによる細胞内PKA系の活性化およびc-Rafの不活化が関与していることが推察された。さらに、CTのERK1/2の恒常的リン酸化の抑制により、その結果細胞浸潤と関わりのあるurokinase-type plasminogen activator (uPA)およびuPAレセプターのRNA発現量および蛋白量が低下した。また、CTによりin vitroにおけるMDA-MB-231の浸潤が抑制された。2)乳癌リンパ節転移とCTR;原発性乳癌新鮮手術標本60例を用いて乳腺上皮と乳癌におけるCTR mRNAの発現量を定量RT-PCR法にて解析した。その結果、CTR mRNAの発現の減少が乳癌で高頻度に見られ、さらにCTR mRNAの発現の減少とリンパ節転移またはリンパ管浸潤との間に正の相関を認めた。以上の結果より、CT、CTR系は、乳癌細胞の浸潤転移に抑制的な役割を果たすことが示唆された。
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