研究概要 |
本年度はCEAcDNAをcarryするplasmid pL107.1よりCOS-TPC法にてヒトCEA発現adenovirus vector AxCACEAを作製した.マウスGM-CSF発現Ad vector AxCAGM-CSFとマウスIL-12発現Ad vector AxCAIL-12を増殖再調整した.これらを用いてマウス樹状細胞(DC)に関する基礎研究を行った.CEAtransgenic mouse C57BL/6(TgCEA)の大腿骨,脛骨より骨髄細胞を採取しDCを誘導し,DCの細胞表面マーカーをflow cytometryにて確認した.またTgCEAの各臓器別のCEA発現をRT-PCRにて確認した.続いて,誘導したDCにAxCACEA,AxCAGM-CSF,AxCAIL-12を遠心法にて感染させ,導入効率を確認した.またマウスDCのLPSによる成熟度とAd vector感染によるDCの機能解析を行った.TgCEAは大腸にのみCEAmRNA発現がみられ,小腸,肝,脳等の臓器には発現していなかった.DCの細胞表面抗原をFACSにて検討すると,CD11c(+),CD40(-),CD80(+),CD86(-),MHCclassI(+),MHCclassII(+)と未熟樹状細胞が誘導された.CEAのDCへの導入効率はFACSにて100MOIで十分でありoptimum doseとした.GM-CSFおよびIL-12はELISAにてMOI依存性に導入効率が上昇した.LPSにて未熟DCは成熟化し,それはAd-vector感染で増強されることがIFN-γとIL-12のELISAから考えられた.またFACSにてAd vector感染後にDCのCD40やCD80,CD86の発現増強が認められやはり成熟化が考えられた.現在CEA遺伝子+サイトカイン遺伝子導入DCを用いたCEA特異的CTLを誘導中である.
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