研究課題/領域番号 |
15591356
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
宮澤 光男 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20200165)
|
研究分担者 |
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50364774)
|
キーワード | 人工胆管 / 再生医療 / 胆管 / 再生 / 移植 / tissue engineering / 外科手術 / ポリマー |
研究概要 |
現在、肝外胆管が炎症、あるいは癌によって狭窄した場合には、患部の切除後、肝門部胆管と腸の吻合、あるいは狭窄部にT-tubeが挿入されている。しかしこのような治療法には、生体機能を温存できないため、感染の問題やT-tubeを挿入した場合には、T-tubeに関するトラブルが報告されている。そこで、これらの問題点を解決するために、狭窄部を切除後置換可能な人工胆管、あるいは胆管用パッチを開発している。今回、我々は、狭窄胆管を、過去において開発した人工胆管(Am J Transplant2005)を用い置換可能か検討した。 (方法)雑種ブタ(n=6)を全身麻酔下に開腹、肝外胆管を同定し、胆嚢管合流部付近を結紮。1週後、同様に再開復し、結紮部の肝側を切断し、その断端と十二指腸を生体吸収性ポリマーで作製した人工胆管で再建した。生体吸収性ポリマーは、P(CL/LA)を用い、生体内で6-8週で分解されるように設計した。人工胆管に細胞は播種しなかった。移植6ヶ月後、再開腹し、肉眼的、組織学的、血液生化学的に検討した。(結果)全てのブタは人工胆管移植部を採取するために犠牲死させるまで生存した。肝外胆管結紮1週後、肝外胆管は約1cm大に拡張し、T-bilは1.9±0.7mg/dlまで増加した。全てのブタは移植6ヶ月後にはT-biの値は、移植前値に回復した。組織学的には6例中5例においては全く狭窄はなく、人工胆管移植部に再生してきた再生胆管の直径は約1cmであった。人工胆管移植した6例中1例においては、吻合部に狭窄が認められ、胆管上皮再生が不良であった。(結語)このような生体吸収性ポリマーで作製した人工胆管を消化器外科、移植外科領域において利用可能であると考えられた。
|