研究課題/領域番号 |
15591365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
天野 定雄 日本大学, 医学部, 講師 (80159459)
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研究分担者 |
青木 信彦 日本大学, 医学部, 講師 (70318393)
柏尾 光彦 日本大学, 医学部, 助手 (20343577)
榎本 克久 日本大学, 医学部, 助手 (60386026)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | VEGF-C / 末梢性浮腫 / リンパ管新生 / 遺伝子導入 / 乳癌術後 / in vivo electroporation |
研究概要 |
我々は血管内皮増殖因子(VEGF-A)やリンパ管内皮増殖因子(VEGF-C)と腫瘍の関連性を検討してきた(森ら、斎藤ら、久保井ら)。一方、乳癌で腋窩郭清や術後放射線照射を受けた患者では上肢の浮腫が発生し、治療に難渋する例が多い(北島ら)。このリンパ浮腫の治療法としてリンパ管増殖因子の遺伝子導入の基礎実験をおこない、安全性と有効性を確認することを目的とした。 方法(1)プラスミドDNAの作成と遺伝子導入 遺伝子導入装置CUY21EDITによる、in vivo electroporation法(参考資料 榎本克久ら)。Kawashima Tらの方法でラットの両側の下肢で作成し、一側を治療する方法を行った。Miyazaki Jに恵与された、遺伝子ベクターpCAGGSプロモーターにhuman VGEF-Cをクローニングし、作製したプラスミドDNAをモデルの大腿部に遺伝子導入装置で直接注入した。 評価法:(1)下肢の周囲径計測。(2)組織学的リンパ管密度、リンパ管断面積。VEGFR3,LYEV-1の抗体で動物モデルから採取した皮下組織の免疫染色を行った。予備実験として、pCAGGSの単独注入群、pCAGGS-EGFPの単独注入群、pCAGGS-EGFPをin vivo electroporation(IVE)法を用いた群にわけて検討した。In vivo electroporation法を用いた場合のみに、高発現が認められた。 成績(1)下肢周囲径の比では改善を認めた。(2)免疫組織学的に皮下の脈管(リンパ管)密度、リンパ管断面積率は増加傾向にあった。しかし、いずれも統計学的な有意差は認められなかった。 実験成績の検討を行うと追加の実験で有意差が期待できる成績もあるが研究成果の取りまとめの段階では結論を出すにいたらなかった。 結論:VEGF-CのプラスミドDNAの注入は浮腫を改善する効果を期待できる。 問題点として以下の検討課題が残されている。 (1)浮腫モデルの問題 (2)遺伝子導入に伴うリンパ管新生の問題 (3)機能的に作用するリンパ管網が形成されているか。 (4)取り込まれた遺伝子が作用して増殖因子を継続的に産生するか。
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