研究課題/領域番号 |
15591367
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
清水 一雄 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20133449)
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研究分担者 |
天神 敏博 日本医科大学, 医学部, 講師 (70217438)
赤須 東樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (30297866)
北川 亘 日本医科大学, 医学部, 講師 (80297895)
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キーワード | 甲状腺疾患 / 副甲状腺疾患 / 低侵襲手術 / 内視鏡手術 / VANS法 / 吊り上げ法 / 内分泌頸部外科 |
研究概要 |
本研究課題のメインテーマである甲状腺・副甲状腺疾患に対する内視鏡手術は、1998年以来320例を超え、年々増加の一途をたどっている。特に甲状腺疾患に対する本術式は、国内外において最も多い症例数となり、研究課題に基づいて行った学会、論文発表を通じ、この手術が国内外に急速に波及している。この事は平成17年度の目的であった術式の確立という意味で大きな実績を得たものと思っている。 その実績を具体的に示すと、内視鏡手術が最初に行われた1998年3月から平成17年12月までの内分泌頚部外科手術は1152例であるが、この期間で実施された低侵襲手術に代表される内視鏡手術は320例で27.8%であった。手術時間、出血量は経験と共に改善し、徐々にその術式も確立しつつある。海外からは多数の見学者が訪れ、また逆に研究代表者は国内外各地で講演、国際学会でのライブ手術を依頼され実行して来た。 平成17年度までで、良性腫瘍以外に悪性腫瘍およびバセドウ病に適応範囲を拡大し症例数が増加してきたことも実績として挙げられる。それぞれ手術症例数の割合は全内視鏡手術の9.4%と5.6%になっている。ちなみに良性腫瘍は55.3%、副甲状腺腫瘍は7.9%となった。これを年度別に見ると31〜46例であるが17年度は34例の手術を行っている。このように増加する甲状腺、上皮小体疾患に対する内視鏡下手術をこなしていくため、更なる術式の改善、工夫に加え、後進の指導に重きをおいてきた。 本研究課題の国際学会における研究発表の活動実績は、平成17年7月ロシア、サンクトペテルブルグ市でのIT戦略会議で衛星中継による本術式の普及、指導を実現すべく会議が行われシンポジストとして発表を行った。また、10月の第38回甲状腺外科研究会では300例の成績と合併症の対策につき本研究課題の総括として発表、平成18年1月のマレーシアでの第17回アジア太平洋内分泌会議、3月、香港における第10回アジア内分泌外科学会で17年度の最終的成果を発表した。更に、15年度に整備したDVDレコーダーに全症例を録画し、データとして整理保管した。録画された多量の動画データを編集し、多数の国内外の主要学会の特別企画でその成果を発表した。現在、実績の最終結果を国内外の学会誌に研究論文として執筆、投稿中である。
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