研究課題
基盤研究(C)
末期肝疾患に対する治療として、肝臓移植が広く行われるようになってきた。しかし、脳死肝移植ドナーの劇的増加は考えにくい現況や患者への侵襲・経済的負担を考慮すれば、肝細胞を用いた治療(人工肝臓、肝細胞移植)は肝臓移植までのbridging therapyあるいは代替医療として大きな可能性を持っている。本治療に使用する肝細胞は、異種動物のものでは人畜共通感染症・超急性拒絶反応などの問題点があることからヒト肝細胞を用いるべきである。そこで、ヒト肝細胞バンクを確立し、人工肝臓あるいは肝細胞移植治療を行うことをめざし本研究を行った。成果;分離採取肝細胞数平均9.Ox10^6個/肝gr.、肝細胞生存率平均80%、凍結保存後生存率62%、プレート接着率40%に向上した。これは、凍結保存液にUW液、日と凍結血漿を用いたことが主因と考えている。現在3x10^<10>個のヒト肝細胞が凍結保存されている。我々の人工肝臓は、1セット1x10^<10>個の肝細胞が必要である。すなわち、3回分の人工肝臓治療が可能である。また、肝細胞移植であれば、5症例可能かと考えられる。しかし、解凍後の生存率は平均50-60%であり、それぞれ1〜3症例対応分であると考えている。現時点では、未だ臨床応用はしていない。また、代謝性疾患の症例が少ないということもあり、本研究期間では適応症例を認めなった。HVJ-liposomeによる遺伝子導入効率がLiposomeonlyより高いことが、ブタ肝細胞でも証明できたことから、ヒト肝細胞の遺伝子導入でも有用であると考えられた。しかし、まだまだ不満足であり、さらなる導入率向上をめざし研究を進めていきたい
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