研究課題/領域番号 |
15591377
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
林 秀樹 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 助教授 (20312960)
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研究分担者 |
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
軍司 祥雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60241957)
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50345013)
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キーワード | 胃癌 / 微小転移 / センチネルリンパ節生検 / LAMP法遺伝子増幅 / cDNAマイクロアレイ |
研究概要 |
リンパ節転移関連遺伝子の検索に関して、20例の胃癌患者より得られた手術標本を独自のcDNAマイクロアレイによりスクリーニングを行い、クラスタリングにより胃癌組織において発現の増大を認める遺伝子26個と、逆に発現の減弱を認める遺伝子44個を同定した。またこれらの遺伝子群の中から特にリンパ節転移の有無と高い相関を示す遺伝子S100A11を同定した。新たな6例の胃癌患者より得られた手術標本を用い、この遺伝子の発現増大をRT-PCRを用いて検索し、リンパ節転移予測に有用な遺伝子であることを確認した。 胃癌の微小転移に対するLAMP法遺伝子増幅法の開発に関しては、MKN1、MKN28、MKN45、KATOIII等の培養細胞を用い、サイトケラチン18、サイトケラチン19、サイトケラチン20、CEA、hTRT、MUC-1遺伝子をターゲットとし、従来法PCR、Lightcyclerを用いた定量的PCR、LAMP法遺伝子増幅のそれぞれに対するプライマーを作成、癌細胞検出の感度の比較を行った。この結果、LAMP法遺伝子増幅とLightcyclerを用いた定量的PCR法で同程度の癌細胞検出感度が得られた。 そこでこれらの転移検出マーカーのうち最も検出感度の高かったサイトケラチン19遺伝子に着目し、術中迅速診断システムのfeasibility testを行った。すなわち手術標本より得られた腫傷部分、リンパ節の一部などの組織を凍結・破砕し界面活性剤を使用し可溶化、この溶液中からRNAを抽出することなく直接cDNA逆転写反応、LAMP遺伝子増幅を行うシステムをテストした。その結果、これまでの免疫組織染色などによる微小転移検索より高い感度で、かつ従来の検出法と同程度の時間内(30分〜1時間程度)で癌細胞検出が可能であることが明らかとなった。
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