研究分担者 |
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
軍司 祥雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60241957)
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
関 直彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50345013)
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研究概要 |
リンパ節転移関連遺伝子の検索に関して、20例の胃癌患者より得られた手術標本を独自のcDNAマイクロアレイによりスクリーニングを行い、クラスタリングにより胃癌組織において発現の増大を認める遺伝子26個と、逆に発現の減弱を認める遺伝子44個を同定した。またこれらの遺伝子群の中から特にリンパ節転移の有無と高い相関を示す遺伝子S100A11を同定した。新たな6例の胃癌患者より得られた手術標本を用い、この遺伝子の発現増大をRT-PCRを用いて検索し、リンパ節転移予測に有用な遺伝子であることを確認した。 NCBIデータベースより得られたCytokeratin19(CK19)遺伝子配列の解析し、CK19遺伝子検出用LAMP primerを作成した。胃癌細胞株MKN1,MKN28,MKN45,MKN74,KATO-III, SH10-TCのそれぞれから抽出したTotal RNAのすべてから、CK19遺伝子配列を増幅可能であることを確認した。また、MKN1細胞を健常ボランティアから提供された白血球細胞で希釈し検出感度を測定したところ、白血球10^6個に対して1個の腫瘍細胞までCK19遺伝子が検出可能であった。 また、胃癌手術症例より提供を受けた癌部組織、領域リンパ節、および非担癌症例より提供を受けた腸間膜リンパ節それぞれよりTotal RNAを抽出LAMP遺伝子増幅を行ったところ、病理組織学的に癌組織を認めたすべてのサンプルからCK19遺伝子配列を検出し、非担癌症例より得られたサンプルにおいてはいずれも増幅を認めなかった。 さらに、胃癌部組織及びその領域リンパ節から界面活性剤を用いlysateを調整、RNAを抽出することなく直接LAMP遺伝子増幅を行ったところ、同様にCK19遺伝子配列を検出することが可能であることを確認した。この方法によれば標本を得てからCK19遺伝子発現の有無を判定するまで1時間以内で施行可能であった。
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